ギターの初級、中級、上級の考え方について

ギターの初級、中級、上級の考え方について

ギターの初級、中級、上級について考えてみましょう。

何をもってギターの初級、中級、上級と考えるか?
人により違うことと思います。

一定の明確な基準があるものではないので、ギターナビでは円滑なレッスンを進めていくために、独自に目安を作っています。

ギターレッスンを受講する生徒様側にとって、ご自分の今のレベルを把握することはとても重要なことですし、講師側においても、レッスンする際の目安になります。

ギターにおいて今やるべきこと、後でやればよいことが明確に

現状を把握することによって、
  • 今ギターでやるべきこと
  • 学んだらどうなるか?
  • 今やらなくてもよいこと、後からやればよいこと

が明確になり、安心して今日のギターを楽しむことができます。
ギターナビが考える初級、中級、上級の判断基準を下記に掲載させていただきます。

除外する判断基準

曲、テンポ、ジャンル、押弦の状況、ギター歴等で短絡的に判断することは避けます。
  • 〇〇の曲が弾けたら上級
  • テンポ〇〇で○連符を弾けたら上級
  • 〇〇のジャンルは上級
  • ○コードが押さえられたら脱初級
  • ギター歴○年以上だから上級

等。

ギターとのつながり方を重視

ギターは上達するにつれ、指板の見え方、音の感じ方が変わってきます。これらを主な判断基準にしていきます。

何も見えない時期

形が見えてくる時期

度数が見えてくる時期

無意識になる時期

「技術」と「知識」、「1〜3のステージ」

ギターナビではカテゴリを「技術」「知識」に分け、さらにステージを「1〜3」に分けて考えます。

「技術」は指の熟練度

  • ○コードを時間をかけて押さえられる
  • ○コードを瞬時に押さえられる
  • ○コードの1部分が鳴らない
  • 指が分離して動く
等、指の動きに関わる要素です。

これらは、筋肉トレーニングと一緒で、一晩にして劇的に向上することはなく、継続した練習が必要になります。

「知識」は音楽の認識度、指板上の見え方

  • キーを把握しながら弾く
  • スケールを把握しながら弾く
  • コードの構成、進行を把握しながら弾く
  • 音名、度数の把握しながら弾く
等、認識度、理解度、指板上での見え方に関わる要素です。

これらは、「一を聞いて十を知る」ことが可能です。知れば知るほど上達スピードが向上していきます。

ステージ1【初級】 テーマは「いかに楽しむか」

技術知識

  • 指が思い通りに動かない

  • コードが完全に鳴らない、押弦に時間がかかる

  • ピックを握る手に力が入り、音がバキバキ

  • 次の押弦にいくまでに時間がかかる

  • 右手と左手を交互に目で確認しながら弾く



  • 押弦した場所の意味を知らない

  • 楽譜に書いてある場所を弾いただけなので応用が効かない

  • コードを丸暗記

  • 一曲覚えるのに労力と時間がかかる

  • 楽譜、タブ譜、ダイアグラムのミスに気付けない


とにかく弾いて上達、今日の音を楽しもう!


  • 今日この日、この瞬間に自分にできることに目を向け、自分のギターの音を受け入れて楽しみましょう。

  • 基礎的なことも学びつつ、好きな曲に取り組みましょう。

  • 「コードが完全に鳴らない、押弦に時間がかかる」の解決は多少の時間かかります。
    「そのうちなんとか鳴るさ」の気持ちでいきましょう。

  • 完コピにとらわれないようにしましょう。簡略化しても良いので安定して弾けることを目指しましょう。

  • 間違ったことの熟練は禁物、正しいやりかたを熟練していきましょう。



ステージ2【中級】 テーマは「いかに効率良くするか」

技術知識

  • リズムをとりながら弾ける

  • そつなく指が動くようになってきた

  • ある程度のコードは鳴らせる

  • 右手の脱力ができてきて、音がよくなってきた

  • スムーズにポジション移動できるようになってきた

  • 右手と左手を見なくても弾ける



  • 指板上の音名を覚え、今何の音を押さえているかがわかる

  • ルートの認識ができている

  • もっと効率良く覚えたい意欲が湧く

  • キー、スケール、コードが何となく理解でき始める


弾く5割、知る5割で上達へ


  • 指の練習もやりつつ論理的理解も必要となってきます。

  • 指が動くようになってきて、ギターがさらに楽しめるようになってきますが、「もっと効率良く弾けるようになりたい」との気持ちが生まれてきます。

  • 論理的理解をして応用が効くようになってくると、途端に視界が広がってきます。さらに次のステージを目指しましょう。


ステージ3【上級】 テーマは「いかにギターと繋がるか」

技術知識

  • 指の動きはかなり整ってきた状態

  • 技術レベルの合格点を引き上げ、プロレベルでの音を目指します




  • キー、スケール、コード、曲の構造を理解

  • 曲を覚えやすい忘れにくい

  • 応用が効く

  • 度数での把握ができる

  • 一つのキーにしばられず、マルチキーでの発想ができる

  • 譜面に書かれていないことができる

  • ジャンル、スタイルの理解

  • アレンジができる

  • 「自分ならこう弾く」ができる

  • なくてもよい音を抜くことができる

  • やがて「答えのない世界」になっていく


知って上達、音楽を学ぼう

  • 指練習よりも、理論的な学びにより上達へと繋がっていきます。

  • ギターよりも音楽そのものの素晴らしさに触れることができるかと思います。


実際にはこれらの要素が絡み合っています

上記の表でだいたいのご自分の現在地点が見えたかと思いますが、実際はこれらの要素が複雑に絡み合っているケースもあるかと思います。

  • 指は自由に動くけど、何スケールを弾いているのか?何コードを弾いているのか?キーは何なのか?わからない
  • 音の並びはわかるけど、実際の演奏で引っかかる
  • 音楽理論を学んだつもりだけど、それで演奏が良くなった気がしない

ステージに関していえること

ステージ・アップは本人の意識が必要

どんなにギター歴が長くても、タブ譜やコード表を見て、そのまま弾いているなら、これからもずっとそのままであり続けます。どこかでステージ・アップを意識しないと上達は伴ってきません。

そのままのステージでもギターは楽しめる

コード表を見て、ジャカジャカ弾いて、いろんな曲を楽しむ。それはそれで良いと思います。
ただ、なるべく効率よく、短期間でたくさんの曲が弾けるようになりたいと欲が出てきたなら、ステージ・アップを意識しましょう。

ステージ飛び越えは難しい

ステージ1の時にステージ3の知識はあまり必要ないし、難しく感じて挫折につながるかもしれません。
安心して、ご自分のステージ、あるいは次のステージを意識すると良いでしょう。

技術と知識で別ステージもある

ギター歴が長くてもステージ1のままの人もいますし、知識だけがステージ3であっても実際の技術がともなっていない場合もあります。

教える側は同一ステージであってはならない

ギターレッスンをする講師側は同一ステージであってはならないし、講師より高いステージの生徒を教えることはできません。
当たり前のことのようですが、ギター講師の世界には資格制度がないので、生徒様側もよく見極める必要があります。

理想的なギター上達方法とは?

「技術」と「知識」をバランスよく吸収し、そして「経験」を重ねることにより、スムーズに上達していきます。
どれが一方的に欠けても、理想的な上達は難しくなります。

また、ご自分のステージに合ったことを取り組み、音楽を楽しみましょう。後で吸収すればよいことは、後にとっておいてもよいでしょう。

ギターは苦しい修行の末にやっと楽しくなるものではありません。

ギターを始めたその日から、音楽はそこにあります。

練習して上達する?しない?

ギターを初めてしばらくのうちは、
  • コードがうまく鳴らない
  • 押さえるのに時間がかかる
  • ピックがうまく弦に当たらない
  • 右手と左手を交互に見ながら弾く
等の問題点がほとんどの方に発生します。
これらはギターに触れて、慣れ親しんでいくうちに徐々に解決されていきます。

要注意なのは下記のパターンです。
  • 譜面を読み間違えている
  • 勘違いして弾いている
  • 譜面のミスに気付かない
  • 正しくないテクニック習得
  • 意味がわからず弦を押さえて弾いている
等です。
これらは、どんなにギター歴が長くてもそのままになっているケースが多いです。

特に独学の場合は、なかなか自己判断で気付きにくいものです。

最悪の場合、間違った認識の熟練により、修正が効かないこともあります。

独学のデメリット

  • 合っているか?間違っているか?に気付きにくい
  • 間違ったレールに乗っかってしまうと見当違いの方へ進んでしまう
  • 今必要なこと、後でもよいことの仕分けが難しい

レッスンのメリット

  • 合っているか?間違っているか?が即座に解決
  • 乗っかるレールが間違わないようにアドバイスを受けることができる
  • 今必要なこと、後でも良いことが明確にわかる

ギターレッスンの役割

生徒様の現状を把握し、目標に寄り添い、必要カリキュラムを組み立て、次のステージへ進めるよう、楽しく学びの場を提供させていただくのが、ギター講師の役割だと考えています。
独学に迷いがでたらギターのプライベート・レッスンを検討してみてください。